こっくりさんの別の呼び方と、地域ごとの違い
「自分が知っている形と違う」と感じたことがあるなら、それは自然なことです。
こっくりさんには決まった形がありません。
呼び方のゆれ
・こっくりさん
・コックリさん
・狐狗狸さん
・エンジェルさん(別の遊びとして扱われることが多い → 別記事)
表記は3通りとも使われています。 どれが正しいという決まりはありません(→ 「狐狗狸」になる理由)。
手順のゆれ
同じ「こっくりさん」でも、地域や世代で違います。
| 伝わっている形の例 | |
|---|---|
| 文字盤 | 五十音を横並び/円形に並べる |
| 鳥居 | 書く/書かない形もある |
| 呼び出しの言葉 | おいでください/いらっしゃいましたら〜/2回繰り返す形が多い |
| 硬貨 | 10円玉/他の硬貨を使う形も伝わる |
| 人数 | 2人以上/3人/一人でやってはいけないとされることが多い |
| 終わり方 | お帰りください/お戻りください/ありがとうございました |
| 紙の始末 | 破って捨てる/燃やす/塩をかける |
どの行にも複数の形があります。
なぜ違いが生まれたのか
理由ははっきりしています。
こっくりさんは【商品ではなく、自分で作るもの】だから
[ウィジャボード](/ouija/) … 商品。説明書がある → 形式が統一される
こっくりさん … 口伝えで広がる → 見た人が記憶で再現する
→ 少しずつずれていく
形式を定める主体がいません。 だから「正しいやり方」を判定する基準が、そもそも存在しません。
「正しいやり方」を探している人へ
これが、このサイトでいちばん伝えたいことの一つです。
「自分のやり方が間違っていたのでは」
「だから終われなかったのでは」
→ この不安には根拠が無い
正しい形が定義されていない以上、間違えようがない
終われなかったのは、やり方が間違っていたからではありません。 終わりたい気持ちが揃わなかったからです。
地域差の調べ方
関心があるなら、身近なところから調べられます。
・親や年上の人に「どうやっていたか」を聞く
→ 世代差が思ったより大きい
・出身地が違う人と比べる
→ 同じ県内でも学校ごとに違うことがある
これは民俗学の調査そのものです。 口伝えで広がったものが、どうずれていくかの実例が身近にあります。
「本式」という言い方
サジェストに「こっくりさん 本式」があります。
「本式」とされる形も、複数存在します。
・より古い形とされるもの
・より手順が多いもの
・特定の資料に載っている形
どれかが本物という判定はできません。 古い形が正しいとも限りません(古い形も、当時の誰かが作ったものになります)。
記録する価値
形が定まっていないからこそ、記録に価値があります。
・いま知っている形を書き留めておく
・どこで・いつ・誰から聞いたかを添える
それが後から見ると資料になります。
このサイトが書いているのも、 「広く伝わっている形」を整理したものであって、正解ではありません。
まとめ
- **決まった形がありません。**呼び方も手順も地域・世代で違います
- 理由は商品ではなく自分で作るものだからです。形式を定める主体がいません
- 「間違ったやり方をした」という不安には根拠がありません。正解が定義されていません
- 終われなかったのは、やり方ではなく気持ちが揃わなかったからです
- 「本式」とされる形も複数存在します。古い形が正しいとも限りません
- 形が定まっていないからこそ、記録に価値があります