こっくりさんの体験談はなぜ似通うのか
こっくりさんの体験談を読んでいくと、似た話が多いことに気づきます。
これは作り話だからではありません。 起きることが同じだから、語られることも似てきます。
よく語られるパターン
① 硬貨が思ったより速く動いて驚いた
② 誰も知らないはずのことを言い当てた
③ 「お帰りください」で帰らなかった
④ 途中で誰かが手を離して、場が凍った
⑤ そのあと体調を崩した人がいた
⑥ 二度とやらないと決めた
どれも実際に起きることです。
一つずつ説明がつく
| パターン | 説明 |
|---|---|
| ① 速く動いて驚いた | 複数人の力が合成されると、思ったより滑る(→ 原理) |
| ② 言い当てた | 参加者の誰かが知っていた情報(→ 何を聞くのか) |
| ③ 帰らなかった | 「終わりたい」気持ちが揃わないと動きも揃わない(→ 帰ってくれないとき) |
| ④ 手を離した | 驚いたから離した。驚いたのは動いたから(→ 手を離したら) |
| ⑤ 体調を崩した | 集団心因性疾患(→ 集団パニック) |
| ⑥ 二度とやらない | 不安が強く残ったため |
6つとも、このサイトで個別に扱っています。
体験談が似通うのは、同じ仕組みが同じように働いているからです。
「作り話だ」と決めつけない
重要な点です。
似た話が多い
↓
✕ 「みんな同じ話をコピーしている」
◎ 「同じことが起きるので、同じように語られる」
体験を疑う必要はありません。
「動いた」も「当たった」も「体調を崩した」も、実際に起きています。 説明がつくのは、起きていないという意味ではありません(→ 嘘なのか)。
語られ方が定型化する理由
とはいえ、語りの形が定型化する面もあります。
① 先に体験談を読んでから、やる
→ 「こうなるはずだ」という予期を持って臨む
→ 予期が現象の条件になる(→ 原理)
→ 予期どおりのことが起きる
② 語るときに、既知の型に寄せる
→ 「あの話と同じだった」と説明したほうが伝わる
→ 細部が型に近づいていく
①が興味深いです。
体験談を読むこと自体が、次の体験を形作っていることになります。
記憶が後から整うこと
これも誰にでも起きます。
・「誰も知らなかったはずだ」と後から確信が強まる
・当たった例だけが記憶され、外れた例は忘れられる
・細部が、語るたびに整理されていく
これは嘘をつくこととは違います。 記憶と語りの性質です。
語り直すたびに、話は少しずつ「よくできた話」に近づきます。
体験談の価値
否定的に書いてきましたが、価値はあります。
① 同じ経験をした人がいると分かる
→ 一人で抱えている人にとって、これは大きい
② 起きたことの言語化になる
→ 語ることで整理がつく(→ 呪われたと感じたとき)
③ 民俗学の資料になる
→ 地域差・世代差を知る手がかりになる(→ 別の呼び方と地域差)
とくに①が効きます。
「自分だけがおかしいのでは」という状態から抜けられます。
まとめ
- 体験談が似通うのは作り話だからではありません。起きることが同じだから
- よく語られる6つのパターンはすべて個別に説明がつきます
- **体験を疑う必要はありません。**説明がつくことと、起きていないことは違います
- 体験談を読むこと自体が、次の体験を形作っています(予期が条件になる)
- 記憶は後から整います。これは嘘とは違います
- 体験談には価値があります。とくに同じ経験をした人がいると分かること