なぜこっくりさんは創作の題材になり続けるのか
こっくりさんを題材にした漫画や小説、映像作品は、繰り返し作られています。
なぜこの題材が選ばれ続けるのでしょうか。 物語の道具として見ると、条件が揃っていることが分かります。
① 説明しなくても通じる
これがいちばん大きいです。
・名前を出すだけで、何をするか読者が分かる
・ルール説明に紙面を使わなくていい
創作では「説明の手間」が大きなコストになります。
新しい儀式を作ると、手順・禁忌・危険性を全部説明しなければなりません。 こっくりさんなら、その説明が要りません。
② 姿が定まっていない
口裂け女 … 姿が明確。描き方が縛られる
こっくりさん … 姿が定まっていない(→ 姿はどう想像されてきたか)
作品ごとに自由に設定できます。
・優しい存在にもできる
・恐ろしい存在にもできる
・そもそも存在しない設定にもできる
縛りが少ないぶん、使い勝手がいいです。
③ 集団を一つの場に閉じ込められる
物語の構造として便利です。
・複数人が同じ場所に集まる
・手を離してはいけないという制約がある
→ 登場人物がその場を離れられない
・終わるまで続く
「動けない」という状況を自然に作れます。
密室劇の道具として機能します。
④ 疑心暗鬼が発生する
これも物語向きです。
「誰かが動かしているのでは」
↓
全員が互いを疑い始める
↓
人間関係が壊れる
実際に起きることが、そのまま物語の葛藤になります。
作者が無理に対立を作らなくても、題材自体が対立を含んでいます。
⑤ 答えが「言葉」として出る
テーブルターニング … 「はい/いいえ」しか出せない
こっくりさん … 文字盤で言葉が出る
物語の中で、決定的な一言を出せます。
・誰も知らないはずの名前
・予言めいた一文
日本で文字盤が加わったことが、 創作の道具としての価値も高めていることになります。
⑥ 学校が舞台になる
・教室・放課後という設定が使える
・同世代の集団が自然に成立する
・禁止されているという設定も使える
日本の創作で学校が舞台になることは多いので、相性がいいです。
逆に、扱いにくい点
公平に書いておきます。
・結末が予想されやすい(帰らなくなる、という形が定番)
・すでに多く作られているので、新しさを出しにくい
・「実際には不覚筋動」という説明が広まると、怖さが弱くなる
3つ目は、このサイト自身にも当てはまります。 仕組みを説明することは、創作の素材としての力を弱める方向に働きます。
このサイトが作品名を書かない理由
① 指名検索は本家に勝てない
作品名で検索する人は、公式やファンサイトへ行く
② 作品ごとの解釈は、その作品の話であって
こっくりさん自体の話ではない
③ ネタバレになる
このサイトは「なぜ題材になるのか」という構造だけを書きます。
まとめ
- 理由は6つあります。説明が要らない/姿が自由/閉じ込められる/ 疑心暗鬼が起きる/言葉が出せる/学校が舞台になる
- いちばん大きいのは説明が要らないことです。ルール説明のコストがゼロになります
- 姿が定まっていないので、作品ごとに自由に設定できます
- 実際に起きる疑心暗鬼が、そのまま物語の葛藤になります
- 文字盤で言葉が出せることが、決定的な一言を可能にしています
- 仕組みの説明が広まると、創作の素材としての力は弱くなります