こっくりさんが社会問題として語られた時代
こっくりさんは、単なる遊びとしてだけでなく「社会問題」として扱われた時期があります。
その周期を整理しておきます。
2つの流行期
① 明治期 … 伝来して流行した時期
知識人が調査の対象にした(→ 明治の知識人)
② 戦後 … 学校で流行した時期
集団での体調不良が報じられ、禁止が語られた
「社会問題」として扱われたのは、主に②のほうです。
社会問題として語られる形
流行が社会問題化するとき、決まった順序をたどります。
① 子どもたちのあいだで流行する
② 集団で体調を崩す事例が起きる
③ 報じられる
④ 「危険な遊び」という認識が広がる
⑤ 学校が禁止する
⑥ 下火になる
④が起きると、現象そのものが起きやすくなるという逆説があります。
集団心因性疾患は、 「何か危ないことが起きている」という認識が共有されている集団で起きやすいです。
つまり、報じられること自体が条件の一つを満たしてしまいます。
「危険な遊び」という枠組み
こっくりさんに限らず、子どもの遊びが社会問題化する形は共通しています。
・不良行為として扱われる
・オカルト・迷信として批判される
・心理的な影響が心配される
こっくりさんは3つとも当てはまったので、 批判の角度が複数あったことになります。
何が本当に問題だったのか
整理すると、実際の問題は2つだけです。
① 集団での体調不良
→ これは実際に起きる。医学・心理学で説明がつく(→ 集団パニック)
② 人間関係のトラブル
→ 答えがその場の誰かの予期を反映するため、
人間関係の質問をすると場が壊れる(→ 聞いてはいけないこと)
霊的な危険は、問題の内容に入っていません。 入っているのは現実に起きる支障のほうです。
なぜ下火になったのか
確認できる根拠はありませんが、いくつかの説明が考えられます。
・禁止されたことで機会が減った
・他の遊び・娯楽に置き換わった
・仕組みが知られるようになった
→ [不覚筋動](/genri/)は「自覚がないこと」が条件なので、
知っている人が増えると起きにくくなる
3つ目は構造的に効きます。
説明を知ってしまうと、体験としては弱くなります。 このサイトが原理を書くことも、同じ方向に働くことになります。
現在の扱われ方
・遊びとして語り継がれている
・創作の題材として繰り返し使われる(→ なぜ創作の題材になるのか)
・検索されている(このサイトが存在している理由でもある)
社会問題としての文脈は薄れ、 「昔からある学校の怪談」という位置づけに移っていると考えられます。
**ただしこれは推測です。**確認できる調査を見ているわけではありません。
書かないと決めていること
このサイトの方針を明示しておきます。
✕ 実在の事件の学校名・地名
→ 在校生・卒業生・地域への不利益になる
→ 裏の取れない伝聞を事実として流布することになる
✕ 「死亡」「行方不明」を見出しに使う
→ 煽りになる。集団心因性疾患という枠組みで書く
◎ 現象としては書く。固有名は書かない
まとめ
- 流行期は2つです。明治期と戦後。社会問題化したのは主に後者
- 社会問題化は決まった順序をたどります。流行 → 体調不良 → 報道 → 禁止 → 下火
- 報じられること自体が、現象の条件を満たしてしまうという逆説があります
- 実際の問題は2つだけです。集団での体調不良と人間関係のトラブル
- 霊的な危険は問題の内容に入っていません。入っているのは現実の支障
- 下火になった理由の一つは仕組みが知られたこと(自覚があると起きにくい)