学校の怪談として語られてきたもの(メリーさん・口裂け女)
こっくりさんは「学校の怪談」の枠で語られることが多いものです。
ただし、実演する遊びと語る怪談は種類が違います。 分けたうえで、学校で広がるものの共通点を見ていきます。
2つの種類
| 何をするか | 例 | |
|---|---|---|
| 実演するもの | 手順があり、実際にやる | こっくりさん・エンジェルさん・ひとりかくれんぼ |
| 語るもの | 物語として伝えられる | 口裂け女・メリーさん・トイレの花子さん |
こっくりさんは前者です。
「やる」ものと「聞く」ものでは、広がり方も残り方も違います。
語る怪談の特徴
口裂け女
・道で声をかけられる、という形
・「どう答えれば助かるか」という対処法がセットになっている
・地域ごとに細部が違う
対処法がセットになっているのが特徴です。 物語だけでなく、聞いた側が使える情報が付いてきます。
メリーさん
・電話がかかってくる、という形
・段階的に近づいてくる(距離が縮まる)
・最後に振り向くと、という結末
時間の経過を含んだ構造です。 話しながら緊張を高められる形をしています。
七不思議
・「7つある」とされるが、7つ目は語られないことが多い
・学校ごとに内容が違う
「7つ目を知ると死ぬ」という形が、広く伝わっています。 未完のまま残るという仕掛けになっています。
学校で広がるものの共通条件
実演型でも語り型でも、共通している条件があります。
① 同じ空間に同世代が長時間いる
→ 口伝えが成立する
② 上級生から下級生へ伝わる
→ 毎年繰り返される。世代を超えて残る
③ 「知っているか」が話題になる
→ 知らない人に教えることで広がる
④ 学校という場所自体が舞台になる
→ 夜の校舎・トイレ・音楽室・階段
②が残存の鍵です。
学校は毎年メンバーが入れ替わりますが、入れ替わっても伝承は残ります。 これは口伝えが循環する構造になっているからです。
こっくりさんが特に残った理由
実演型の中でも、こっくりさんは特に長く残っています。
① 道具が身近(紙・鉛筆・10円玉)
→ 準備がいらない
② 短時間でできる
→ 休み時間に収まる
③ 結果が毎回違う
→ 語る怪談は結末が同じだが、こっくりさんは答えが変わる
→ 何度でもできる
④ 集団でやる
→ 体験が共有される。話題になりやすい
③が決定的だと思います。
語る怪談は一度聞けば終わりますが、こっくりさんは繰り返せるからです。
怪談として語られることの副作用
「危険な遊び」として語られるほど、条件が揃ってしまいます。
「あれをやると呪われる」という認識が共有される
↓
不安を共有した集団ができる
↓
[集団心因性疾患](/panic/)が起きやすい条件になる
怪談として語り継ぐこと自体が、現象の条件の一つを作っていることになります。
これは社会問題として語られた時代で書いた逆説と、同じものです。
書かないと決めていること
✕ 実在の学校名・地名
→ 在校生・卒業生・地域への不利益になる
✕ 特定の作品名
→ 指名検索は本家に勝てない(articles.md 方針⑦)
◎ 都市伝説の一般名詞(口裂け女・メリーさん・七不思議)は書く
まとめ
- 実演するものと語るものは種類が違う。こっくりさんは前者
- 語る怪談の特徴:口裂け女は対処法がセット、メリーさんは時間の経過、 七不思議は未完のまま残る仕掛け
- 学校で広がる条件は4つ。とくに上級生から下級生へ毎年伝わる構造
- こっくりさんが特に残ったのは結果が毎回違うから。繰り返せる
- 「危険な遊び」として語り継ぐこと自体が、現象の条件を作っている