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こっくりさんとは──明治から続く「動く硬貨」の遊び

こっくりさんとは、紙に書いた文字盤の上で硬貨を動かし、 質問に答えてもらうという遊びのことをいいます。

複数人で10円玉に指を乗せ、「こっくりさん、こっくりさん、おいでください」と呼びかけます。 すると、誰も動かしていないはずの硬貨が動きます。

このページでは、やり方から仕組み、終わらせ方までを一通りまとめました。


このサイトの立場

先に書いておきます。

◎ 言うこと  … 「起きていることには説明がつく」
✕ 言わないこと … 「本当に霊が来る」
✕ 言わないこと … 「絶対に安全」
✕ 言わないこと … 「迷信だ」

どちらの断定もしません。

硬貨が動くのは事実で、それには説明がつきます。 ただし「説明がつく」と「存在しない」は違います。


なぜ動くのか

この現象には名前がついています。不覚筋動(ふかくきんどう)といいます。

① 全員が硬貨に指を置く(力を入れていないつもりでいる)
② 「次はこの文字だろう」という予期が生まれる
③ その予期が、自覚のない微細な筋肉の動きになる
④ 複数人の力が合わさって、硬貨が動く
⑤ 参加者は「自分は動かしていない」と本当に感じる

**参加者は嘘をついていません。**③に自覚が無いからです。

英語では ideomotor effect と呼ばれ、 19世紀のイギリスで、まさにこの種の現象を説明するために提唱された概念です。


明治期に日本へ来た

こっくりさんは、日本古来の怪談ではありません。

19世紀欧米のテーブルターニング(降霊術)
  ↓ 明治期に伝来
文字盤が加わる(言葉で答えられるようになった)
  ↓
狐・鳥居・稲荷という在来の信仰と結びつく
  ↓
こっくりさん

仕組みは輸入品、まとっている文脈は日本のものです。 この二重構造が、こっくりさんを理解しにくくしています。


「正しいやり方」は存在しない

これが、このサイトでいちばん伝えたいことの一つです。

ウィジャボード(欧米) … 商品なので形式が固定されている
こっくりさん          … 自分で作るもの。形式を定める主体がいない

だからやり方も終わり方も、地域や世代でまったく違います。

「自分のやり方が間違っていたのでは」という不安には、根拠がありません。 正しい形が定義されていない以上、間違えようがないからです。


終わらせ方が分からなくなったら

このサイトを訪れる理由として、いちばん多いのではないかと思います。

① 「こっくりさん、こっくりさん、お帰りください」と唱える
② 硬貨が鳥居に戻るのを待つ
③ 全員で同時に指を離す
④ 紙を破って捨て、硬貨はその日のうちに使う

戻らないことは珍しくありません。 「終わりたい」という気持ちが揃わないと、動きも揃わないためです。

戻らなければ、全員で離してかまいません。 「離してはいけない」は伝承であって、根拠が確認できるものではありません。


不安が残っているなら

体調が優先です。

眠れない・食事がとれない・体が重い状態が何日も続いている
 → お祓いより先に、休むことと医療機関に相談すること

不安が続くと体に影響が出ます。これは誰にでも起きることです。 霊的な問題として扱わなくても、やれることがあります。


怖い話を、作品として見るなら

こっくりさんは創作の題材として、繰り返し使われてきました。 説明が要らず、姿が定まっておらず、集団を一つの場に閉じ込められる—— 物語の道具として条件が揃っているためです。


まとめ

  • こっくりさんは文字盤の上で硬貨を動かし、質問に答えてもらう遊び
  • 硬貨を動かしているのは参加者の自覚のない指の力(不覚筋動)
  • **参加者は嘘をついていない。**本当に自分が動かした覚えが無い
  • **明治期に欧米から伝わった。**日本古来の怪談ではない
  • **「正しいやり方」は存在しない。**形式を定める主体がいないため
  • 戻らなければ全員で離してよい。「離してはいけない」は伝承
  • 体調が悪い状態が続くなら、お祓いより先に休養と相談